「夏は涼しく、冬は暖かい家」──誰もが求める住宅性能ですが、それを実現するためには、建てる土地の気候や環境に合った設計が欠かせません。
たとえば北海道と奈良では、気温も湿度も風の流れもまったく違います。つまり、「全国どこでも同じ家づくり」では、心地よい暮らしは実現できないのです。
今回は、奈良県特有の気候に合わせた家づくりのポイントを解説します💡
奈良の夏はジメジメ&蒸し暑い!盆地ならではの「熱こもり」に注意
「ジメ暑指数」という言葉をご存知ですか?これは、気温と湿度を組み合わせた「日本独特の不快な暑さ」を数値化したものです。
なんと奈良県は、このジメ暑指数が全国3位(※日本気象協会調べ)となった過去が…!それもそのはず──奈良は四方を山に囲まれた盆地。熱がこもり、風も通りにくく、湿度が高い状態が続きます。
つまり、奈良の夏は…
・気温が高い
・湿度が高い
・風が弱い
この三拍子が揃った熱中症リスクの高い気候なのです。家づくりでは、風通し・遮熱・湿度管理をしっかり計画する必要があります。
奈良の冬は「底冷え」と「日照不足」で寒さが厳しい
一方、奈良の冬は底冷えする寒さが特徴です。
盆地では、温められた空気が上昇して逃げていき、代わりに山から冷たい空気が流れ込むため、地表付近は強く冷え込みます。
さらに、冬の日照時間が短いことも寒さの原因。曇りの日が多く、太陽の恩恵を受けにくいのが実情です。
冬の奈良では…
・足元が冷える(床冷え)
・日中も太陽が出にくい
・暖房をつけても寒さが残る
こうした気候には、断熱・気密の強化に加え、太陽光を上手に取り込むパッシブ設計が効果的です。
気候に合った設計と素材選びで快適な家に
田ノ上工務店では、奈良の気候風土に合わせて、以下のような家づくりを行っています。
◎ 高気密・高断熱+計画換気
・外気の影響を抑え、家の中の温度を一定に保ちます
・湿度もコントロールし、夏でも40〜60%の快適な湿度に
◎ パッシブデザイン
・南面の窓から冬の太陽を取り込み、庇や軒で夏の直射日光をカット
・風の流れを読んだ窓配置で、弱風の奈良でも風通しのよい間取りを実現
◎ 自然素材で快適に
・無垢フローリングは、夏でもサラッと快適。梅雨の時期もベタつかず過ごしやすい
・自然の調湿力で、機械に頼らない快適性を確保
同じ奈良でも土地によって条件は違います
実は、奈良県内でもエリアによって風の通りや日照は大きく異なります。また、隣接する建物の影響や敷地形状によっても、同じ土地でも条件は変わってきます。
田ノ上工務店では、一邸ごとに現地調査を行い、敷地環境を読み解いた上でプランを設計しています。「奈良らしい気候に対応しながら、自分たちにぴったりの暮らしを叶える」。そんな家づくりを一緒に進めてみませんか?