あまり暑すぎない日には、窓を開けて自然の風をとりこむのも気持ちがいいもの。しかし風通しをよくしたいからといって、窓をたくさんつくればいいというものではありません。窓の配置を失敗すると、風はあまり入ってこないのに断熱の弱点になってしまったり、家具のレイアウトに影響したりすることもあります。
今回は、風通しの良い家を実現するための間取りと窓の工夫について解説します。
風通しの良い家にする3つの基本ポイント
まずは風通しのよい家づくりをするために、知っておきたい3つのポイントについて解説します。
ポイント1:土地ごとの風の特性を知る
風は地域や立地によって吹く方向が異なります。たとえば…
・海の近くでは、昼間は海から陸へ向かって風が吹く「海風」が発生
・山間部では、朝夕に山から吹き下ろす「山風」が生まれることも
そのため、家を建てる土地の風の流れや特性を事前に調べることが、風通しの良い設計の第一歩になります。
ポイント2:風の「入口」と「出口」をつくる
空気を効率よく通すには、風の「入口」と「出口」が必要です。窓を1ヶ所だけ開けても、風の流れができなければ空気は動きません。
・対角線上に2つの窓を設ける
・吹き抜け空間なども活用し、空気の通り道を立体的にデザイン
これにより、室内の空気がスムーズに循環しやすくなります!
ポイント3:高低差で風の流れをつくる
「暖かい空気は上へ」「冷たい空気は下へ」という性質を活かすことで、より自然な換気が可能になります。
・吹き抜けの上部に窓を設ける
・階段や吹き抜けを通じて上下の空気を移動させる
上下の高低差を使って空気が自然に流れるような設計が、快適な室内環境をつくります。
窓の種類によっても風通しは変わる
風通しを良くするためには、「窓の配置」だけでなく「窓の種類」も重要です。
引き違い窓は開閉が簡単だが風は抜けにくい
みなさんが窓といって想像されるのは、このように左右にスライドする「引き違い窓」でしょうか。
出典/LIXIL
左右にスライドする「引き違い窓」は開け閉めがラクで、コストも手ごろなため人気があります。
ただし、建物に沿って風が吹いたときに風をうまく取り込めず、素通りしてしまうという弱点も。
縦すべり窓は風をキャッチしやすい
風を効率よく室内に取り入れたいなら、「縦すべり窓」がおすすめです。
出典/LIXIL
・窓が外側に開くため、建物に沿って流れる風をキャッチしやすい
・斜め方向の風も取り込みやすく、室内に自然な風が流れ込む
「風が抜ける家」にしたいなら、適材適所で縦すべり窓を取り入れるのが効果的です。
出典/LIXIL
風通しの良い家をつくるためには、以下の3つを意識することがポイントです。
・土地の風向きを知る
・空気の通り道を設計する
・窓の種類を適切に選ぶ
「なんとなく」で窓をつけるのではなく、設計段階から風の流れを意識した“パッシブデザイン”を取り入れることが、年中快適な家づくりにつながります。
田ノ上工務店は「奈良の気候に合わせた」家づくりができます
長年奈良で暮らし、お客様の家づくりに携わってきた田ノ上工務店は、光や風といった自然の力をコントロールするパッシブ設計を取り入れております。
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